ハワイ在住の人気アニマルコミュニケーターで、『いぬと話す ねこと話す 生きものの気持ちがわかる本』(自由国民社刊)の著者のShioriさん。インタビュー第1弾《動物と話せる「アニマルコミュニケーター」Shioriさんが教える、愛するペットを幸せにする方法》では、テレパシー(第六感)を使って生きものと会話し、わが子同然の愛犬や愛猫を幸せにすることができるアニマルコミュニケーションの能力について解説してもらったが、実際に身につけるにはどうしたらいいのだろうか?
Shioriさんは、こんなふうに言う。
「3つの手順を踏むことです。まずは、(1)生きものと話す力のある人に教えを受けてアニマルコミュニケーションについて学び、(2)次に話す機会を設けて実践し、(3)さらに練習を積む。これで話せるようになっていきます。具体的には、ワークショップに参加するのが一番手っ取り早いと思います」
外国語を学ぶのと同じで、実践を多く積むことが大切
Shioriさんにいわく“アニマルコミュニケーションとは、アニマルコミュニケーション語という外国語を学ぶようなもの”なのだそう。
外国語を話せるようになりたいのなら、ベストの方法は、単語や文法をひと通り学んだら、その言葉を話せる人と会話して実践を積むことだ。それもできることならネイティブと話したほうが、確実に腕が磨ける。
「ノンネイティブとの実践では、発音に不安がありますよね。アニマルコミュニケーション語も同じです。自己流だと間違えた方向で覚えてしまったり、試行錯誤して、すごく時間がかかります。
早く話せるようになりたいのなら、ちゃんとその力があって、正しい方向に引っ張っていってくれる人について学ぶほうがいい。数か月で話せるようになりますから」
さらにはワークショップ終了後も、練習を積める体制があるかどうかも大事だそう。外国語での会話と同じく、会話スキルは実践すればするほど腕が上がるからだ。
ちなみにShioriさんが主催するワークショップは、初級から中級、上級の3クラス制で、コロナ禍の現在はどのクラスもオンラインでの開講。初級から上級までは順に1か月半、5か月半、1か月半の計8か月半制だという。まずは初級のみを受講するコースもあるが、初級ではアニマルコミュニケーションに必要な知識はビデオで学習後、質疑応答ありの2回のオンライン講座で知識を固める。中級からは実践だ。
「アニマルコミュニケーションの方法には遠隔と対面があるんですが、ワークショップでは遠隔が中心です。具体的には最低7頭の動物の写真と住所を用意して、それを見ながら生きものと話してもらいます。生きものは犬と猫が中心ですが、ウサギやカメの場合もあります。話したら、その内容を飼い主さんと答え合わせしてもらいます」
第1弾でも書いたとおり、初めての実践でも色や形が頭に浮かび、飼い主さんに確認すると、写真の生きものが大好きなおもちゃの色や形であることが多い。
「“あ、合ってる!”という小さな成功体験を積み重ねてもらう。それが中級の目的です」
“生きものとしゃべれるなんて本当だろうか?”と最初は懐疑的であっても、成功体験を積み重ねることで疑いはうせ、第六感というものの存在を確信できるようになる。
そうなれればしめたもの。動物とのコミュニケーションは、もう手が届くところまできている。
アニマルコミュニケーターがしてはいけないこと
ペットと暮らす動物好きが生きものとしゃべれるようになると、道ゆく生きものたちともコミュニケーションを取りたくなるのは、自然な感情かもしれない。
「ワークショップではアニマルコミュニケーターの倫理も学びますが、そこでは“飼い主さんからの依頼がなければコミュニケーションをとってはいけない”と教えています。ですから普段は第六感の回線を閉じているようにしています」
もし無責任に回線を開き、コミュニケーションを取ったとしよう。生きものからのSOSを察知した場合、どうするというのか?
「その場合、だれが責任を取るのでしょう? その動物を必ず助けられるのならつながっていいんです。でも助けられないのなら、回線を開いてはいけない」
回線を閉じていても、生きものが寄ってきて甘えることはある。そんな場合であっても、心あるアニマルコミュニケーターはなでたり話しかけたりといった、誰もがよくやるコミュニケーションを取るのみだ。
「そんな場合でも、動物にはその人間が自分と話せることがちゃんとわかっています。そんなときには“ダメよ”って言って納得してもらいますけど、メッチャ話したそうな目をしていますね(笑)」
人間関係がラクになるメリットもある
人間以外の動物とコミュニケーションを可能にすることは、人と人とのコミュニケーションもいいものにしてくれるらしい。
「ヒューマンコミュニケーション・スキルとアニマルコミュニケーション・スキルはまったく別のものですが、人間関係がラクになって、過ごしやすくなることは確かです」
第六感をキャッチするアンテナのサビが落ち、直感がさえ渡ることで、相手が求めていることや言いたいことがわかるようになる。言いたいこと、自分のことを先回りするようにわかってくれる人を、悪く思う者は少ないだろう。ごく自然に、人間関係が改善されていくと言うのだ。
さらにはこんな変化もあるという。
「“仕事ができる人間になりたいと思ったら、仕事ができる人間のそばにいるようにするといい”。よくそう聞きませんか?
仕事のやり方を観察してそれをマネする。だから仕事ができるようになるというのもあるでしょうが、人間って共鳴しあうものなんです。仕事ができる人と共鳴して、自分も仕事ができるようになるんです。
これと同じことが人間関係でも起こります。嫌な人、合わない人が周りからいなくなってくれるんです。人間関係の改善については、むしろこちらのほうが一番の理由だと思います」
Shioriさんの生徒の中には、今までとはまったく違うジャンルの仕事を始めたり、転職や結婚が決まったりと、本人や周囲がよい状態に変化する実例が多いのだそう。
ワークショップで43人中、ただ一人メッセージをもらえなかった
さて、こんなShioriさんだが、アニマルコミュニケーションとの出合いは7年前のことだったと言う。キャリアウーマンを目指して大手通信会社で16年間、営業職として働いていたが、「思っていた姿と違う」と感じ、すべてを手放してハワイへ移住。1年後にFacebookでグループを見つけ、初めてワークショップに参加したが、初日は参加者43名中ただ一人、生きものからメッセージをもらえなかったという。
「ハワイでのワークショップで、参加者も半分ぐらいがヒーラーさんだとか、スピリチュアル系の人が多かったんですね。それで私、“こうした世界、まったくわからんわあ”と思って(笑)。
今から思うとオール英語の2日間だったんで、英語を理解するだけでアップアップ。それだけに意識が行っていて、コミュニケーションが取れなかったんだと思います」
2日後にはどうにかコミュニケーションが取れたが、最初にただ一人できなかったことでShioriさんの負けん気に火がついた。東京に飛んで応用編を受講、その2か月後にはプロ養成講座を受講していたと語る。
「大きな波に押されているような、すごい展開でしたね」
心を開き、第六感のサビを落とせば、人を導く立場にもなれる。アニマルコミュニケーターになるには、あきらめないことも肝心のようだ。
さて、最後に、こんなShioriさんのこれからの目標について聞いてみた。
「幸せな人間を増やすことです。
私は動物を助けたくてアニマルコミュニケーションを始めたんですが、生きものと話せば話すほど、これは人間のためのコミュニケーションで、動物を幸せにするためには人間が幸せでなければダメだとわかったんです。
私が教えることを始めたのもこれが理由です。生きものを飼っているならば、生きものが言いたいことをわかるようになってほしくて」
多くのペットは、飼い主を幸せにするためのメッセージを送ってくれていると言うShioriさん。そんなけなげな生きものを幸せにするには、人間自身が幸せにならないかぎり、ペットも幸せにはならない。ペットの幸せは、人間が幸せであることだからだ。
私たちの周りには、私たちのことをそこまで思い、理解している存在がいる。
私たちもまた、そうした存在を幸せにしてあげるべきなのだ──。
(取材・文/千羽ひとみ)
〈PROFILE〉
Shiori ハワイ在住アニマルコミュニケーター。白井レイキ&カルナレイキマスター/ティーチャー。日本の大学を卒業後、米国で航空機のパイロットを目指すも挫折。帰国後、大手通信会社に16年間、営業職として従事するが、すべてを手放してハワイへ移住。1年後、アニマルコミュニケーションと出合う。8か月後には米国でビジネスを立ち上げる。現在オンラインで世界中の生徒さんへアニマルコミュニケーションを教えている。
ブログ https://ameblo.jp/animalhawaii
☆4月3日(日)10時〜12時、Shioriさんの無料トークライブ開催