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【転妻座談会#3】「死ぬかと思った」雪国での生活や強すぎる地元愛、衝撃エピソード続出の“転勤あるある”

SNSでの感想
(写真左上から時計回りに)入間川さん、信田さん、加藤さん、編集Y、尾田さん、ライター池守
目次
  • 雪国での生活はサバイバル! 死ぬかと思った出来事とは
  • 朝のワイドショーは地元のスポーツニュース一色
  • 転妻だからこそわかる、地方のいいところ
  • 転勤を繰り返すなかでの苦悩、得られたことは?

 夫の転勤に伴い、一緒に全国各地へ移動している妻たち=転妻(てんつま)。狭い日本のなかとはいえ、転勤回数が10回越えの転妻も存在する。土地を移るたびに生活をリスタートさせ、新たな文化や人間関係のなかで過ごす彼女たちは、どんな経験を積んできたのか。

 それを教えてもらうべく、転妻たちの共助社会づくりや自立支援を担う団体『転勤族協会TKT48』のメンバーである現役の転妻4名に協力をいただき、座談会を開いた。ほかの場所から移住したからこそ見えてきた、その土地の特異性や魅力、衝撃的だった出来事について語ってもらった。(第1回:【転妻座談会】12か所に移り住んだ猛者も! 結婚、仕事、言葉はどうなる? 転勤族の妻たちによる“本音トーク”/第2回:【転妻座談会#2】解読不能レベルの方言の連続に目が点! 転勤先で“うまくやる”ためのライフハックとは

座談会参加メンバー(五十音順)
◎入間川美佳さん(転妻歴13年)
出身:島根県/現住所:福岡県
家族構成:夫、長女(小4)、次女(小1)
結婚後に住んだ場所:島根→埼玉→福岡(引っ越し2回)

◎尾田尚子さん(転妻歴25年)
出身:東京都/現住所:神奈川県
家族構成:夫、長男(大4)、次男(高3)、三男(高1)
結婚後に住んだ場所:高知→埼玉→東京→山口→北海道→神奈川(引っ越し5回)

◎加藤晴子さん(転妻歴28年)
出身:静岡県/現住所:福岡県
家族構成:夫
結婚後に住んだ場所:静岡→富山→埼玉→東京→愛知→青森→大阪→神奈川→宮城→神奈川→静岡→福岡(引っ越し11回)

◎信田千絵さん(転妻歴8年)
出身:静岡県/現住所:埼玉県
家族構成:夫、長男(小1)、次男(年中)
結婚後に住んだ場所:北海道→長野→埼玉(引っ越し2回)
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◎ライター・池守りぜね……座談会の司会兼ライター。転妻ではないが、父親の仕事の都合で転校を繰り返した、元転娘(てんむす)、という立場で座談会に参加
出身:東京都
家族構成:夫、長女(小2)
結婚するまでに住んだ場所:東京→愛知→宮城→埼玉→東京(引っ越し4回)

雪国での生活はサバイバル! 死ぬかと思った出来事とは

──赴任先の気候も、生活にかなり影響しますよね。

加藤(以下、敬称略)「静岡育ちで雪を知らずに育ったので、雪国での生活はうれしかった。でも、青森の私が住んでいた地域は、1年の半分はふぶいているんです。引っ越したのが一八豪雪(平成18年に全国的に発生した豪雪)の年だったから、例年以上に雪がすごくて。“雪国って、ここまでなるんだ……”って実感しました」

──積雪はつらいですよね。私も雪国の経験がありますが、学校に行くだけで大変だった記憶があります。

信田「本当、大変ですよね。札幌に移った日も、“着陸します”というタイミングのときに吹雪で、飛行機が旋回しだしたんです。“これ、本当に着陸できるの? ”って不安になりました。その年の冬は、寒さと雪のすごさで、うつというか“外に出たら死んじゃう……”みたいな気持ちになりましたね

──雪国では、そこに雪かきという作業も加わりますからね。

信田「うちは道民じゃないので、雪かきは免除だったんですよ」

尾田「ええっ! 」

信田「本州から来ましたって言ったら、大丈夫でしたよ」

尾田「なんと。私は、“ママさんダンプ”(一度に多くの雪を運べる、大きなスコップ状の除雪道具)を初めて使いましたよ。“それを使いこなせないと、一人前の道民じゃない”って言われました(笑)。腰を入れながら押さないと、前に進めないんです。ママさんダンプと車の雪下ろしは、毎日やっていましたね

──転勤先が雪国ならではの苦労もあるのですね……。

尾田「吹雪って、前も見えなくなる。出かけるときは降っていないのに、帰ろうと思ったら吹雪になったりすると、前の車のテールランプだけを頼りに運転するんですよ。本当に死ぬかもって思いましたね」

 信田さん、うなずく。

尾田「タクシーの運転手さんにその話をしたら、“対向車線と反対側に雪山の壁ができているから、その壁に車をぶつけながら帰るといいよ”ってアドバイスをもらいました」

入間川「えっ、壁にぶつけるんですか!?」

尾田「そうすれば、車が対向車線と反対側に行くので。“車が壊れるよりも、命のほうが大事だよ”って言われましたね」

──首都圏で雪が降ると、みなさん交通機関のインフラを気にしますが、そのレベルではないですよね。

 一同、うなずく。

尾田「子どもが小さかったころは、そりで幼稚園に連れていっていました」

信田「そうそう! 」

──そりで登園している子がほかにもいたのですか?

尾田「はい。雪で車輪が動かないから、ベビーカーは使えない。だから、普通にそりで登園していましたね

信田「うちの近所のスーパーにも、そりが置いてありましたよ」

尾田「そうそう。おばあちゃんでも、そりで買い物に行く人がいました。そりは遊びや買い物にも使えるので、一家に1台は持っていました

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