同じ状態でシャンプーをされていても症状が出る人と出ない人がいる理由は、体質と体調によるそうだ。

 たとえば生まれつき椎骨動脈が細かったり、加齢で血流そのものが悪化していたり、血管が細くなると起こりやすい。自律神経(代謝や体温調節など、生命維持に欠かせない活動を24時間不休でコントロールする神経)が乱れていたり、発汗などで水分不足を起こしている場合も発症しやすいと遠藤先生。

 首がほっそりと長い人も要注意だ。首が長いと首を後屈させる際の動きが大きい。首の中を走る椎骨動脈もまた、大きく後ろに反り返ることになるからだ。

歯医者や電球交換、草刈りなどで起こすことも

 では、美容院やヘッドスパでめまいや吐き気、手足のしびれを覚えたら、どうしたらいいのか?

美容院などで症状を感じたら、ほとんどが一過性ですから慌てないことが肝心です。美容院やヘッドスパでしたらただちにシャンプーを中止してもらい、首がまっすぐになる姿勢で横になりましょう」(遠藤先生)

東京医科大学准教授の遠藤健司先生

 美容院やヘッドスパ愛用者としては、スタッフにも美容院脳卒中症候群への理解を深め、「気分が悪いからシャンプーを中止して」と気軽に頼める雰囲気作りをお願いしたい。「湯かげんはいかがですか?」とともに、「吐き気やしびればありませんか?」と具体的に聞いてもらえれば、「はい、実は」と続けやすいかもしれない。