ダイエッターこそオーバートレーニングにならない気遣いを

 体力づくりのみならず、スリムな身体を求めてのフィットネスやジム通いにも、「長い目で見て、楽しみながらほどほどに」がキーワードであると長崎先生。

ちまたには“3日で●キロやせる”といった過激なダイエットがあふれていますが、身体は少しずつしか変化しません。こうしたダイエットは絶対に続かない。三日坊主になるだけです」(長崎先生)

 やせたいと語る女性は多いが、その状態を長く継続させることこそが本来の目的であるはずだ。であればなおのこと、正しいトレーニングが欠かせない。運動しないでやせると、筋肉と脂肪の両方が減っていくことになるからだ。

間違った方法でやせると必ず元に戻ってしまいますが、それは筋肉量は元に戻らず、脂肪だけが増えている状態。エネルギー消費の大半を占め、スリムな身体を保つための財産である筋肉が減ってしまっていますから、だんだんやせにくくなっていきます」(長崎先生)

 つまりスリムな身体を求める人も運動は欠かせない。それにもはやり、「息が切れない程度の運動を毎日続ける」ことこそが王道だと語るのだ。

 長崎先生は、まったく運動をしたことがない人だったら、まずは歩くことから始めようと提案する。「こんな距離歩けない」「歩くのはイヤだ」と感じたら歩きすぎ。まずはその半分ほどの距離を歩き、歩ける距離を少しずつ長くしていく。

 ただし歩く姿勢には注意しよう。まっすぐ立って、その姿勢のまま歩くようにすべし。

「これを続けていくと、楽に歩けるようになります。体力や身体の持久力が上がったからです。体力が上がり、持久力が向上すると、歩くのではなくジョギングをしてみよう、ジョギングができるようになると、マラソンを走ってみようとなります。スリムな身体を維持できる筋肉がついた証拠です」(長崎先生)

 なるほど! 体力作りもスリムなボディも、こんなにゆるくていいのなら、どうにか継続できそうだ。

 でも読者の中には「走る体力がすでにある」というフィットネス上級者もいることだろう。では、こうした人たちがオーバートレーニングに陥らずにトレーニングを続けるにはどうしたら……?

 #2では、その方法を長崎先生にお聞きする。

(取材・文/千羽ひとみ)

〈PROFILE〉
長崎文彦(ながさき・ふみひこ)
循環器科専門医。「長崎内科クリニック」「ドクターズフィットネスNASA」両院院長。2004年に長崎内科クリニック開業。清水エスパルス・チームドクター(フィジカル担当)、日本サッカー協会・日本代表チーム(岡田ジャパン)のフィジカル・アドバイザーなどを歴任。現在は、ロアッソ熊本フィジカル・アドバイザー。自身がフルマラソンで4時間半、宮古島トライアスロンを13時間半で完走した記録を持つ。

・ホームページ:https://drsfitnessnasa.com/