かつての大人気番組、『アメリカ横断ウルトラクイズ』(以下、ウルトラクイズ)。その第10回大会(1986年)で、決勝まで行かせていただいた私の体験から、これまで数々の裏話をお伝えし、特にニューヨークの決勝戦については、過去3回にわたって掲載させていただきました。
○【アメリカ横断ウルトラクイズ裏話】決勝進出者が語る──人生を変えたニューヨーク決勝直前の数時間
〇【アメリカ横断ウルトラクイズ裏話】 決勝進出者が語る、ニューヨーク決勝戦の一騎打ち。「もう、ダメだ……」そのとき、心に火をつけたものとは
〇【アメリカ横断ウルトラクイズ裏話】 ニューヨーク決勝進出者が語る、絶体絶命からの猛反撃。そして最後の1問
今回は、その番外編。ニューヨーク決戦直後に、出題・海外リポーター・福留功男さん(以下、留さん)から敗者(私)へ行われた、インタビューについて。テレビ放送ではカットされたその内容を、37年の時を経て、初めて書かせていただきます。
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決勝直後、留さんから「何か最後に言い残すことはあるか?」
ウルトラクイズでは、敗者には必ず罰ゲームが行われます。
アメリカ本土まで行った参加者にとってこの罰ゲームは、ゴールデンタイム高視聴率番組の時間を個人で独占できる、ある意味「オイシイ時間」。
そんなウルトラクイズで唯一、罰ゲームらしい罰ゲームが行われないのが、決勝戦なのです。ですが、優勝を逃した準優勝者は、決勝戦が終ってから留さんにひたすらに無視され、いっさいインタビューされません。
実はこれが、「準優勝者に対する罰ゲーム」なのだ、ということをスタッフから聞いたというお話は、以前にここでお話をしたとおりです。
(こちらの記事で詳しく紹介しています→伝説の『アメリカ横断ウルトラクイズ』、砂漠を歩いて帰るなど、罰ゲームの“裏側”)
しかし。
実は、第10回のウルトラクイズでは、優勝が決まった直後、優勝者へのインタビューを終えた留さんが、私に声をかけてくれたのです。
「西沢、何か最後に言い残すことはあるか?」
“えっ? 話しかけてくれるの?”これが、頭に最初に浮かんだことでした。
まだカメラが回っています。それなのに、準優勝者へのこの言葉。
それが、決勝で熱戦を演じた私への留さんのご褒美(お情け?)だったのか、いままでのウルトラクイズでも準優勝者に声をかけていて、単にオンエアされていないだけだったのかはわかりません。
とにかく、ありがたいことに、私は「言葉を残す機会」を与えられたのです。