子どもたちを励まし、自主性に任せたプレーを 

 では、実際にドリームカップに参加した人たちの反応はどうだったのでしょうか。

 ちなみに昨年の大会では、イエローカードこそ出なかったものの口頭で注意を出された指導者がいた一方で、大会理念に賛同して指示やサインを出さずに選手の自主性に任せる指導者もいたそう。「ほかの大会よりも、子どもたちを励ます声が多く感じられた」(古谷さん)と言います。

 また、ドリームカップではチーム人数が不足していても、ほかのチームと混合すれば参加が可能なため、今回初めて野球大会に参加できたという子どもたちも。

 「『(試合に)負けはしたけど、これからも野球をやっていきたいです』という感想もあった」という反応も含め、大会開催の意義は確実にあったといえます。

笑顔で楽しくプレイする子どもたち 写真提供/ミズノ

 高校球児の減少も顕著です。日本高野連発表の今年5月末時点での加盟校数と部員数の集計結果によると、加盟校数はピークだった2005年の4253校から3818校に。部員数は昨年から2902人減の12万8357人と、硬式では9年連続の減少となっています。

 野球人口の減少は、球界全体が抱える大きな課題ですが、まずは子どもたちが気軽に参加できるよう野球に触れる門戸を広くしたいと、今年もミズノは「ミズノベースボールドリームカップ ジュニアトーナメント2023」を2月から全国各地で開催。昨年の803よりも多い908チームが参加し、熱戦を繰り広げてきました。

2022年12⽉に甲⼦園球場で⾏われた「ミズノベースボールドリームカップ ジュニアトーナメント2022」の ファイナルラウンド。表彰式プレゼンターとして阪神タイガース・佐藤輝明選⼿も参加 写真提供/ミズノ

 この7月28~31日には決勝戦ファーストラウンドを熊本で開催し、12月に甲子園でのファイナルラウンドへと進みます。

 「(ドリームカップを開催して)まだ2年しかたっていませんが、こういった活動を長期的に続けることで、野球人口が増えればいいなと思っています」(古谷さん)

 熊本、および甲子園でのドリームカップは一般の方も観覧可能とのことですので、子どもたちが「楽しんで」野球をプレーする姿を見てみてはいかがでしょうか。

(取材・文/松平光冬)

◆「ミズノベースボールドリームカップ ジュニアトーナメント2023」
http://pridejapan.net/mizunodream-cup/jr-tournament/nationwide/

◆「ミズノベースボールドリームカップ ジュニアトーナメント2023」熊本大会詳細http://pridejapan.net/mizunodream-cup/jr-tournament/ballpark/