「人に恵まれている」。私が誇れること、同時に、何より感謝していることは、これに尽きます。不器用で不完全な人間なので、人生において何度もつまずいたり、失敗したり、周囲に迷惑をかけてしまったり、死にたくなるほど落ち込んだり……。さまざまな“負の経験”を積んできました。

 そして最近、久しぶりに、いや、初めて経験するレベルのとんでもない出来事に見舞われました。ひとりで過ごしていると、目の前が真っ暗に感じられ、呼吸がうまくできなくなってきます。ただのヤバい奴ですね(笑)。

 なんとか前を向こうともがいては、底なし沼に足を引っ張られ、すんでのところでまた浮上し、再び沈み……。そんなことを繰り返すうち、自分が歩んできた道も、大事にしてきたことも、自分自身に対しても否定的になってしまっていたのだと思います。親友の前で、つい気が緩んだのか、ネガティブな言葉が口をつきました。

 そんな私に向かって、普段は非常に穏やかでニコニコとしている親友が、怖くなるほど真顔になって発したのが冒頭のひと言です。でも、その目は私を蔑むでも、突き放すでももちろんなく、逆に私をどこまでも受け入れてくれるかのような深みと輝きを宿していました。そして親友は、こう続けました。「とにかくあなたには、どんなときも味方がいる。私もそのひとりだよ。大丈夫。休んだって、進んだっていいよ。もっと自分を信じて、自分を大事にしていこう」

 この言葉たちがじわじわと私の中に浸透し、弱ってしまっていたであろう心の臓にはたらきかけ、私はこの日の夜、約2週間ぶりにちゃんとした睡眠をとることができました。翌日からは少しずつ、思考が前向きになってきました。ダメなところはきちんと指摘しつつも、深いところで自分を肯定し、そっと寄り添ってくれる。自分にそんな存在がいてくれることが心の底からありがたいし、そういう周りのあたたかさに救われ、自分は立てているのだなと、改めて実感しました。

 親友のほかにも、このところ、さまざまな方々の言葉に背中を押してもらっています。感謝しているとか、そういう言葉では生ぬるいなと。側にいてくれている人たちに報いるよう、胸を張れる生き方をしていきたいし、大事な人に何かあったときには、全力で力になりたい。そのためにも、まずは自分で自分を認めてあげつつ、前進していきたいと思います!(横)