最近、2000年代に流行った作品を見返すことが多いのですが、自分の中で2度目のブームが来ているのが『鋼の錬金術師』(荒川弘/スクウェア・エニックス)。
脳筋?タイプの主人公・エドワードエルリックと、弟のアルフォンスによる旅路がつづられた本作は、罪を背負って生きることの意味や人との絆、愛する人との別れや心の機微が残酷なまでに描かれた作品で、現在でも多くのファンがいます。
冒頭のコトバスは中国の詩人・杜甫が由来になったことわざ「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」という言葉をもじり、敵陣に攻め入る際にエドワードが言ったセリフ。本来、このことわざは、《他人を自分の思い通りにしようとするなら、まずその人が最も信頼している人物を従わせるのが、成功の早道であること》の例えとして知られています。
ただ、自分は昔からこの辺の策略が下手な人間で、どうしても真正面から受け止めるorあえて挑戦しない道を選びがち……。その裏返しか、“難しいことはよくわからんが突っ込めばいいだろうが!”というキャラが昔から大好きで、普段あこがれる人も猪突猛進型の人が多いです。
何も考えずに突き進むだけだと思わぬケガをしてしまうかもしれないのが現実と思われがちですが、脇目も振らずゴールだけ見て突っ込むその情熱が、人々や社会を動かすのもまた事実なのかもしれません(西)