今週まで東京都内で開催された、天皇皇后両陛下の即位5年と結婚30年を記念する特別展に行ってきました。両陛下や長女・愛子さまゆかりの品々のほか、雅子さまが婚約会見で着ていたイエローのドレスやご結婚の日のローブ・デコルテなども公開。仕事柄、写真では繰り返し見てきた衣装ですが、実物を目にするのは初めてでした。

　新婚のときから「ご懐妊」を期待されるプレッシャーと闘い、外国訪問も許されない中、結婚8年目に長女・愛子さまを出産。ところが当時は“お世継ぎ”の男児がおらず、周囲からの「キャリアや人格を否定するような動き」に傷ついた雅子さまは適応障害と診断され、長期間の療養生活に入ります。

　愛子さまの子育てと可能な限りの公務を果たしながら、令和の皇后陛下となった雅子さま。激動ともいえる結婚生活を振り返ったひと言が、「もう30年もたったのですね。あっという間でした」。

岩手県で行われた全国植樹祭の式典に出席された天皇皇后両陛下（2023年6月4日）　撮影／JMPA

　週刊誌で皇室記事を担当していたころ、雅子さまの生の声を直接聞ける機会はほとんどありませんでしたが、ご夫妻の登山に同行取材したときのこと。天皇陛下とペアコーデのチェック柄シャツにショートヘアの雅子さまが他の新聞記者たちとオフレコで懇談するシーンがありました。山登りの感想のほかに生後9か月の愛子さまが当日、玄関で見送ってくれたことを嬉しそうに話される光景が印象に残っています。

　あの日から現在までずっと変わらない仲睦まじさに、同じく今年、結婚30年の自分も感慨深くなりました。（純）