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生き方

映画プロデューサー・西口典子さんが挑むクラフトビール作りの魅力「ものを作るサイクルは、人生を幸せにする」

SNSでの感想
クラフトビール店をオープンした映画プロデューサーの西口典子さん 撮影/近藤陽介
目次
  • 予想がつかないことも魅力のクラフトビール作り
  • クラフトビール屋は、面白いが儲かりにくい!?
  • ただのクラフトビール店にはならない可能性を秘めている
  • 店内で作ったできたてのクラフトビールが楽しめる!

 映画プロデューサーの西口典子さんが、東京・笹塚にクラフトビール店「OURDAYs Brewery & Club house(アワーデイズ ブルワリー アンド クラブハウス)」を今年4月にオープンさせました。

 第2弾インタビューでは、自らクラフトビールブリュワーとしてビールを作っているからこそ感じる、ビール作りの面白さや魅力について、お話しいただきました。

【第1弾インタビュー:「心の支えになる場所にしたい」映画プロデューサーの西口典子さんが“クラフトビール店”をイチから作った理由

予想がつかないことも魅力のクラフトビール作り

──クラフトビール作りは面白いですか?

私は飽き性なのですが、これは飽きないですね。麦芽もホップもたくさん種類があって、今度はこの配合にしてみようとか、次はどういうのが面白いだろうかとか、研究できる余地があります。何と何を重ね合わせたらおいしくなるのかは、作ってみないとわからないところがあるんです。

 みんなが使っているようなホップを使うと、うちのお店の個性がなくなるので、他の人が使っていないようなホップを試してみたりして、どんな味になるのかを一つひとつ試しています。作りたてのときは“ん?”と思っても、3週間熟成させたらおいしくなっていることもあり、いろいろな変化があって、面白いです」

ビール作りの様子(OURDAYs Brewery & Club houseのインスタグラムより)

──予想がつかないぶん、難しそうですね。

「セゾン酵母(※編集部注:フルーティーな香りが特徴のエール酵母の一種)を使ってみたときに、ゴマとかアーモンドのような味がして、大丈夫なの? と思って、発酵の途中でホップを追加してみたら、バン! と吹いて、ビールのシャワーを浴びたこともあります(笑)。

 逆に、映画作りで天候に恵まれて、いい絵が撮れたときに“神様が宿ったな”と感じることがあるのですが、それと同じようなことをビール作りでも感じる瞬間があります

<ビールの基礎知識>

●ビールの種類
ビールは大きく分けると、2種類
「ラガービール」……ラガー酵母を使用し、下面発酵させるビール。大手メーカーの市販の缶ビールに多い。
「エールビール」……エール酵母を使用し、上面発酵させるビール。
クラフトビール(小規模生産ビール)で作られるものにはエールが多く、「ペールエール」「IPA(アイピーエー。※インディア・ペールエールの略)」「ヴァイツェン」「スタウト」などさまざまな種類があります。

●ビールの作り方
ざっくり簡単に説明すると、ビールの主な原材料は、麦芽、ホップ、酵母、水。
「麦芽を粉砕して、水を加え、適度な温度で適当な時間保持する(甘い液になる)」→「それを加熱して、ホップを入れる(苦みと香りが出る)」→「適温に冷やして酵母を入れて、発酵させる(アルコールと二酸化炭素が出てくる)」→「貯蔵し、ゆっくり熟成させる(調和された味に)」
※もちろん、実際の工程はもっと複雑です。OURDAYs Brewery & Club houseでは、最低でも4週間以上は熟成させるそうです。

──クラフトビールは、作り手次第でいくらでも変わる、とてもクリエイティブな飲み物だと感じます。お店では常時7種類のビールを提供されているそうですが、どんなものがありますか?

「すべて店内で作っているできたてのビールで、IPA、セゾン、スタウトのほか、しょうが入りのビールなど、変わり種もあります。

 お店をオープンしたときから、平均点以上のおいしいビールはできていますが、いつか“これがアワーデイズの味だね”と言っていただけるような、“毎日飲んでも飽きないお味噌汁のようなビール”を確立させたいと奮闘中です

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