だが、このシーンからはどこかコナンの面影を感じてしまうのだ。それは、決して彼女がコナンから託されたメガネをかけているからというわけではなく、力強いしゃべり方、何よりまっすぐな眼差(まなざ)しがコナンそのものだった。

作中に散りばめられた“江戸川コナンの魂”

「黒鉄の魚影」はストーリーの端々に“江戸川コナンの魂”を感じる作品のように思う。コナンのもとに集いし仲間たちがまるで彼に触発されたかのように目の前の敵に全身全霊で立ち向かい、さらにキーパーソンである灰原哀から漂うコナンのような気骨……こうして周囲に伝播(でんぱ)していくコナンの人一倍強い正義感、信念を貫き通す強い意思は、事件の真相はもちろん、衝撃のフィナーレへと物語を大きく突き動かしていく。

 ぜひ「黒鉄の魚影」2潜水目(※2回目の鑑賞)の予定がある方は、灰原哀だけではなく、作中に散りばめられた“江戸川コナンの魂”に注目してみてはいかがだろうか

(文/ちゃんめい、編集/FM中西)